この日だけは手汗をとめたい時に使える方法
手の汗がコンプレックスという方は多く、好きな人などと手をつなぐのが恥ずかしい、仕事の重要書類や学校のテスト用紙をダメにしてしまう、汗のすべりからお店のものを落としそうになるなど、日常生活に支障をきたしている方も少なくはありません。特に、子供の場合、いじめに発展しているケースもありまして、登校拒否や引きこもりの原因になることもあります。
これらの症状は、「多汗症」や「手掌多汗症」とも呼ばれ、原因は、呼吸や精神安定など、心身のバランスを整える、自律神経の一種の交感神経が、ストレスなどで、高まった状態が続くことで、手の平に密集している、汗を出すエクリン腺の活性化が起こるところにあります。
原因は、一つですが、解決する方法は、数多くあります。例えば、手汗を即効でとめるような、ツボ、ミョウバン水、パウダーなどや、長時間とめるような、神経遮断薬、塩化アルミニウム外用制汗剤などもあります。
さらに、日頃から、生活習慣や食生活などを気を付けることで、手汗が抑えられていきますので、今抱えている悩みを、軽減させることは十分に可能でしょう。
即効性がある手汗をとめる方法
今すぐ手汗をとめたい時に使える、即効性のある方法を、紹介していきたいと思います。
どれも簡単で、周囲にバレずにできる方法もありますから、どのような場面でも使えるでしょう。
ツボ押しで手汗を抑制する
『労宮(ろうきゅう)』と『合谷(ごうこく)』という、手にあるツボを指圧することで、手汗の原因の、交感神経を鎮めて、手汗をとめることができます。
まず、労宮の指圧方法は、手の平のちょうど真ん中に位置する労宮を、指圧しやすい指で、5秒押して、5秒離すというのを、左右5回繰り返します。続いて、合谷の指圧方法は、手の甲の親指と人差し指の骨の間に位置する合谷を、親指と人差し指でつまんで、5秒押して、1秒離すというのを、左右5回行います。
ツボ押しによる効果は、数十分と短いですが、周囲にバレにくく、何度でも行えますので、おすすめの方法となります。
ただし、常用してしまうと、ツボ押しの刺激に慣れて、効果の半減が起こることもありますから、この方法だけに頼ることはおすすめできません。
皮膚圧反射で手汗を抑制する
これも簡単にできる方法で、『乳頭から5cm上』を、腕を組むなどで『圧迫』するものです。
なぜ、手汗がとまるかですが、体は、圧迫されている側の汗が、抑えられる仕組みにあり、胸部を圧迫することで、手を含む上半身の汗がとまります。この方法は、舞妓さんなども活用しており、顔の白粉が落ちるのに役立てています。
圧迫している時間は、手を含む上半身の汗がとまりますが、その分、下半身に汗が出やすくなるので、長時間は控えた方が良いです。
腹式呼吸で手汗を抑制する
これから紹介する『腹式呼吸』は、手汗の原因の、交感神経を鎮めるだけではなく、十分なリラックス効果も得られます。30分〜1時間程度の効果ではありますが、ほとんど場所を選ばず、周囲にもバレにくいです。
方法は、肩の力を抜いて、お腹に意識を向けて、凹ませながら、ゆっくりと鼻から息を吐きます。息を吐くと、吸わなくても、自ずと鼻に空気が入りますので、楽にやってみてください。気持ちが落ち着くまで、あせらずに何度か繰り返したら完了となります。
ミョウバン水で手汗を止める
参照気になる時にシュッ!手汗をミョウバン水で抑える方法と作り方
『ミョウバン水(無臭)』は、通常6〜7時間の制汗効果がありますが、手汗が滴るなど多い場合は、1時間程度と、長時間の効果は期待できません。ただ、即効性は高いです。
手汗を止める仕組みは、毛穴を引き締める「収れん作用」が、汗の出口を引き締めて、手汗をとめるものです。手汗のほかにも、ニキビ、水虫、キッチン等のニオイ取り、お風呂のカビ防止などにも役立ちますから、そちらへの活用もおすすめとなります。
早速、作り方は、スーパーで100円前後で売られている、ミョウバンを50g用意して、1.5リットルのペットボトルに、ミョウバンと750mlの水道水を入れて、振ります。そこから、ミョウバンがキレイに溶けるまで、涼しい場所に置いて、完成後は、100均で売られている、化粧水を入れるような、携帯用スプレーにうつして使います。大体、2〜3週間で全部を使いきるようにしましょう。
作る上での注意点は、三つありまして、一つ目は、作る過程で、ミョウバンと水が溢れないように、最初に、ペットボトルにミョウバンを入れて、水を足して、振って、水を足すことを繰り返してください。
二つ目は、ミョウバン水が劣化して、効果の半減に繋がらないように、水道水を使うことです。市販や浄水器の水は、防腐剤の役割がある、塩素が入っていないので、ミョウバンが腐敗して、効果も半減します。
三つ目は、万が一、赤みや痒みなど肌トラブルが出た際は、よく洗い流して、使用を中止してください。
専用パウダーで手汗を止める
管理人がよく使用するのが手汗専用の制汗パウダーの『ファリネ』です。制汗クリームや液体の制汗剤にはない、サラッとした仕上がりで、肌に優しい天然成分と添加物フリーなので、副作用の心配もありません。
手汗に効く仕組みは、ナノイオン制汗成分が、汗の出口の、エクリン腺を塞いで、瞬時に汗をとめるものです。また、天然成分の麻セルロースが、汗と皮脂を吸収しながらも、過剰な吸収を抑えるので、乾燥することがありません。
大体、2〜3時間の効果ですが、携帯しやすいサイズなので、こまめに使って、手汗を防止できます。
価格は7000円弱と高めですが150回は使えますし、他の手汗対策と組み合わせれば費用を抑えることもできます。
持続期間がながい手汗をとめる方法
即効性よりも、丸一日など、持続性を求める方は、病院の薬を使った薬物療法等がおすすめです。
持続性がある分、費用がかかったり、副作用が出る可能性もありますので、考えた上で行うようにしてください。
また、人によって、効果が出ない方法もありますので、医師に相談しながら、自分にあった方法を見つけることも大切です。
プロバンサリン(神経遮断薬)
神経内科等で、数百円で処方(保険適用)される、内服薬のプロバンサリンは、汗の原因である、交換神経が、エクリン線を活性化するのを防いで、汗をとめます。
服用後、15分程度で効果があらわれて、その後、3〜4時間程度持続しますので、汗をとめたい予定の直前に飲むと良いです。
副作用として、口の渇き、目のかすみ、眠気、吐き気、尿が出にくいなどの症状が起きることもありますので、副作用が気になる場合は、服用を中止してください。
塩化アルミニウム外用制汗剤
神経内科や皮膚科だけではなく、薬局でも、1000円前後で手に入る、塩化アルミニウム入りの制汗剤で、汗の出口である、エクリン汗腺を塞いで汗をとめます。
使い方は、就寝前に塗布して、起床後に洗い流すという方法で、手汗が多めの方は、100均やホームセンターで売っているような、布手袋をはめた上に、塩化アルミニウム外用制汗剤をしみこませて、ゴム手袋で覆う、密閉療法がおすすめです。
効果の持続期間は、上記を1〜2週間くりかえすことで、数日から1週間程度の効果が続くようになります。
効果の持続性がある分、ヒリヒリ感、痒み、かぶれなどの副作用が出ることもありますので、副作用が出た場合は、使用を中止して医師に相談してください。
ボトックス注射
長期的な効果を求める場合は、ボトックス注射がおすすめで、プロバンサリン同様に、汗をとめる効果のある、ボトックスという薬剤を、注射する方法で、神経内科で行われます。
注射を行った翌日または、3日後に効果があらわれて、その後、半年ほど効果が続きます。
保険適用外であることから、一度の注射に、5万円以上かかったり、注射の位置を間違えると、握力低下、しびれなどがおきることもありますから、よく吟味した上で行いましょう。
手汗を抑えるための生活習慣や食生活
手汗は、ストレスだけではなく、睡眠不足、食生活の偏りも原因になることもあります。
その為、手汗を抑えるためにも、睡眠は十分に取るようにして、食生活も栄養バランスを中心に、手汗の原因となる『交感神経の高ぶり』を抑制する食べ物を中心に摂ると良いです。
手汗を抑えるには『タウリン』や『ビタミンC』を含む食品を食べる
手汗を止めるための食生活は、『タウリン』や『ビタミンC』を多く含む食材を食べるようにしましょう。
『タウリン』を多く含む食材は、『たこ、さば、スルメイカ』などです。これらタウリンを含む食品を積極的に摂取した方が良いです。タウリンは、手汗の原因の、交感神経の高ぶりを鎮める効果が高いことから、手汗を抑制する働きもあります。
『ビタミンC』を多く含むのは、やはり『果物や野菜』です。ビタミンCには、ストレスを緩和する作用があり、交感神経の高ぶりを抑えて、手汗予防になります。
逆に、控えるものとして、『動物性タンパク質(肉類や乳製品)やトウガラシなどの香辛料』があげられます。これらは、発汗作用があることから、手汗をかきやすくなる為、食べるのは控えたほうが良いです。
手汗を抑えるために1日8時間以上の睡眠をとること
手汗を抑える、少しでも少なくしたい方は『8時間以上の十分な睡眠』を心がけることが大切です。睡眠不足は、活動時間が増えることから、手汗の原因となる、交感神経も休まらずに、手汗が出やすい状態になります。
寝つき悪く、不眠気味の方、寝たくても眠れない方は、『豆腐や納豆など大豆製品』の摂取がおすすめです。大豆製品には、トリプトファンというアミノ酸が含まれており、睡眠に導く、メラトニンの材料になりますので、しっかりと睡眠をとれるようになります。
他にも、『ストレスを溜めない』ように、趣味の充実、アロマの活用、お風呂にゆっくり浸かるなど、ストレス解消に努めることも大切となるでしょう。
〜手汗を抑えるための生活習慣や食生活のまとめ〜
- 8時間以上の十分な睡眠を心がける(豆腐など大豆製品を摂取するとよく眠れる)
- 手汗の原因になる、肉類、チーズや牛乳などの乳製品、トウガラシなどの香辛料を控える
- 反対に、たこやサバなどに含まれるタウリンや、果物や野菜に多いビタミンCは、積極的に摂取する
- 日頃からストレスを溜めないようにする
まとめ
手汗をとめるためには、ツボなどの即効性のある方法や、薬物療法などの持続性の高い方法と、数多くありますので、手汗自体をとめることはできます。
しかし、根本的に手汗を無くすとなると、ストレスや食事などが影響していることも多いので、上記の食事療法等はもちろん、メンタルクリニックや精神科での精神療法なども検討する必要があります。
最後に、手汗に関して、「どうにかしなきゃ・・・」などと思うことが、ストレスから、かえって悪化させることもありますから、あまり深く考えずに、なんでも気楽に行っていくことが重要となります。